令和5年度長崎県高等学校選抜新人剣道大会(オープン大会)

本ブログは佐世保北剣道部の公式ブログではありますが、現在私が長崎県高体連剣道専門部の仕事に携わっているということもあり、12月24日、県立武道館で行われた第2回となる令和5年度長崎県高等学校選抜新人剣道大会(オープン大会)の模様について掲載させていただきます。 

剣道人口の減少が言われる中、本県でも部員不足に伴い個人戦でしか試合に参加できていない学校が増えてきました。特にここ数年は離島の学校でみるとチームを組むことができているのは数校しかありません。そんな中でも剣道を頑張って続けてくれている生徒たちの少しでも励みになるように、昨年からこの大会を開催しています。

離島の学校にしてみれば前日には学年別を行い、その足でオープン大会に参加することができるよう日程もこの時期に設定しています。1回の旅費で2回分の試合に出場することが可能です。 

離島の学校の多くの移動が船での移動になります。今年も荒天のため船が出ず、前日の学年別で欠場となった学校も今大会には参加していただくことができました。 

参加資格は「離島地区の学校の生徒を除く今年度の県新人戦の団体戦に出場していない生徒」「出場したものの、4人以下でチームを組んで出場していた学校、さらには団体でエントリーしていたものの試合機会がなかった生徒」、さらに今年は一方の種別は参加資格がなくても、もう片方に資格があった場合は、もう一方にも参加資格を与えたこともあり、人数にしたら、昨年よりおおよそ倍の男子80名、女子32名、のべ21校に参加いただきました。応援者の入場制限もなく、久しぶりに県立武道館が多くの高校剣道関係者で賑わった感じでした。 

残念ながら学年別の翌日ということ、資格試験と重なったり、翌日から県外の各種大会に参加するため出場を見送った学校もあるように聞いています。ただ多くの学校にこの普及の大会の存在を認識していただきつつあり、こうした草の根活動は継続していかなければならないと思った次第です。   

 

大会の開催にあたり、昨年に引き続き武道具メーカーの三恵様、そして佐高専剣道部OBの亀山電機の北口会長より協賛をいただきました。私の同期で県内の剣道経験者でつくっている「虎の会」にも賛同いただきました。今年もわざわざたくさんの差し入れをもって会場に顔を出してくれました。 

 

人数も増えたこともあり、試合は男子5人、女子2人の男女混成の7人制の団体戦で行いました。要項にも記していたように、極力同じ学校同士が一緒にならないようにランダムでメンバーを編成しました。はじめに自己紹介を行い、みんなでチーム名を考えてもらって、さらには名札の学校名に養生テープを貼ってチーム名を書くことでより一体感を持って臨むことを意識してもらいました。その後、それぞれでチーム名も「川崎フロンターレ」や「福田‘s」などチーム内の選手の苗字をもじって利用するところ、エンゼルスドジャースなど他競技のチーム名を利用するところ様々でした。試合の呼び出しや組み合わせの発表などアナウンスの度に笑いが起きるのも今大会の雰囲気づくりに一役買ってくれています。 

 

開会式の後は、10月に千葉の勝浦で行われた第47回全国高等学校・中学校剣道(部活動)指導者研修会に参加した光永先生から研修の報告がありました。今大会は主審こそ先生方が務めるものの、副審は自分達でということにしていましたので、初めに具体的な事例を踏まえた話を聞くことができて、緊張感をより高く保った中で試合に入ることができたものと思います。 

 

試合は4チームによるリーグ戦、特に今回は男女混成ということでテレも加わり?最初は多少ぎこちない感じがありましたが、試合を重ねるごとにスムーズになってきました。お互いの応援やアドバイス、試合の合間もコミュニケーションもその一助となっているのでしょうが、何よりシード権もない、のびのびと戦えるというのが大きかったのか、うちの生徒もいつも以上の動きをしていた気がしました。日頃チームを組めない生徒たちにとっては、団体戦の醍醐味を感じるいい機会になったのではないかと思います。6,7番手として今回出場権を得た部員は選手入りをアピールする場になっていました。 

実際昨年の今大会に出ていた1年生が今年はレギュラーメンバーとなって、各種大会で活躍している姿を見ていただけに、経験を積むいい場面になっているなと思ったところでした。 

試合も予選リーグ、決勝リーグを行い、どんどん白熱した試合が展開されました。全員が少なくとも6試合はすることができたのではないかと思います。 

計時などの係員は県新人戦に出場した選手たちにお願いしました。日頃サポートしてもらう側がサポートする側にまわってくれました。 

表彰式、閉会式の前には、虎の会のS川さんから参加賞として全員に虎のイラスト入りのフェイスシールドのプレゼントがありました。それから今年は西海学園の部員のアナウンスで、協賛いただいた企業や虎の会メンバーから豪華プレゼント抽選会がありました。 

時間が押したため昨年のように解散後のチーム内での写真撮影などは残念ながらできなかったようですが、今後会場であったらお互いに声を掛け合うような関係を築くことができたものと思います。 

今年も振り返ると、いつもは緊張の面持ちを見ることが多い試合会場ですが、普及につながるものを目指して行っていることが浸透してきたのか、たくさんの笑顔を見ることができました。 

時に笑い声も交じった保護者の方々の応援も盛り上がりに一役買ってくれました。それだけ和気あいあいとした雰囲気であったものと思います。 

プログラムも「記念になるものを」と、凝って作成させてもらいました。表紙は本校剣道部の女子主将のデザインです。 

第2回ということで昨年の反省を活かしつつ、今回お集まりいただいた先生方をはじめ、部員や保護者の皆さん、関係各位のおかげでそれぞれの思い出に残るものになったのではないかと思います。 

特に今回は大会の速報サイトをいつも記録を担当していただいている松田先生が作成してくれました。この技術は今後の大会でも活用することができそうです。 

生徒達にとって剣道が勝敗のみにとらわれるのでなく、学校の枠を超え、仲間づくりやコミュニケーションをとれるものでもあるという新たな魅力を感じる良い機会になったなら幸いです。 

何よりちょうど私達同期生の今の姿のように、卒業後も同じ時代に剣の道を歩んでいた仲間としての絆ができた日になればと思っています。 

次年度も同じ時期に開催することができたらと思います。 

嬉しいことに、昨年のこの大会を参考にし、今年度中学の方でも普及につながる大会が開催されます。こういった取り組みがどんどん広がっていくことを願っています。 

改めて今回の大会に関わっていただいたすべての方々に感謝の言葉をお伝えしたいと思います。本当にありがとうございました。