令和4年度長崎県高等学校選抜新人剣道大会

本ブログは佐世保北剣道部の公式ブログではありますが、現在私が長崎県高体連剣道専門部の仕事に携わっているということもあり、昨日行われた大会の模様について掲載させていただきます。長文となりますが、ぜひご覧いただいたらと思います。

第1回となる令和4年度長崎県高等学校選抜新人剣道大会が12月25日、県立武道館にて行われました。

近年、剣道人口の減少が顕著となり、県内でいえば、平成18年度高総体の団体戦出場校は男子48校女子36校、まさに半減しているという状況を鑑み、何かできることはないかと本大会を計画しました。


目的を「長崎県内で、団体戦に出場する人数に満たないものの、日ごろ稽古に励んでいる生徒達が他校と合同でチームを編成することで、団体戦に参加、力を合わせ一試合でも多く戦う機会とする」「離島地区の生徒達がより多く、試合を経験できる場とする」「新型コロナウイルス対策感染症への対策を徹底し、各学校間での交流を深める場とする」としました。
また、プログラムにはコロナにより従来の価値観や行動様式が変わった中、日本の伝統文化である剣道も今一度振り返りを行い、その良さを再認識すると共に、起こりうる変化に柔軟に対応する時が来ている。今大会は従来にはない、普及につながる新たな取り組みにも挑戦したいと述べさせてもらいました。


参加資格は「離島地区の学校の生徒を除く今年度の県新人戦の団体戦に出場していない生徒。」「出場したものの、4人以下でチームを組んで出場していた学校、さらには団体でエントリーしていたものの試合機会がなかった生徒」に与えられ、男子61名、女子23名、のべ19校に参加いただきました。


寒さも和らぎ、前日の学年別は荒天のため船が出ず、欠場だった離島の学校も参加していただくことができました。(残念ながら、そのまま今大会も欠場になった離島の学校やコロナ禍であること、急な冷え込みで体調を崩した生徒もいて、結果、試合には男子43名、女子18名が出場しました)


大会の開催にあたり、長崎県学校剣道連盟、またいつも竹刀検量でお世話になっている武道具メーカーの三恵様、そして佐高専剣道部OBで亀山電機の北口会長より協賛をいただきました。
またM﨑先生、F田先生、ライブ配信をお願いしているS川さんをはじめ、私の同期で県内の剣道経験者でつくっている「虎の会」(干支である虎から名前を取りました)にも賛同いただきました。わざわざ会場に顔を出してくれました。


試合は男子5人、女子3人の団体戦で行いました。要項にも記していたように、同じ学校同士が一緒にならないようにランダムでメンバーを編成しました。はじめにチーム名を考えてもらって、さらには名札の学校名も養生テープを上に貼ってチーム名を書くことでより一体感を持って臨むことを意識してもらいました。その後、それぞれでアップ、開会式というところですが、式前には記念の集合写真を撮影するなど、普及の大会らしく、日頃の試合では考えられないところからスタートしました。チーム名も男子は「フランス」やチーム内の選手の苗字をそのまま利用するなどユニークなものが多かったように思います。女子は「メリクリ」や「あけおめ」、「しろごはん」など可愛らしいものでした。


急造チームで、最初はぎこちなかった動きや声掛けも、試合を重ねるごとにスムーズになって、お互いに応援やアドバイスをしたり、試合の合間にもコミュニケーションをとっていました。日頃チームを組めない生徒たちにとっては、団体戦の醍醐味を感じるいい機会になったのではないかと思います。6,7番手として今回出場権を得た部員は選手入りをアピールする場になっていました。


試合も予選リーグ、決勝トーナメントに進むにつれ、どんどん白熱した試合が展開されました。多い生徒で5~6試合はすることができたのではないかと思います。


審判は前回の県新人戦に出場した選手たちにお願いしました。日頃サポートしてもらう側がサポートする側に立つ、いい経験になったのではないでしょうか?掲示はプロジェクター・スクリーンを用いて行いました。近いうちに公式戦でも導入できたらと思います。佐世保地区の顧問の先生方、各校のマネージャーにも記録や計時に協力いただきました。

係員の弁当にも趣向を凝らしました。佐世保らしいものを準備し、食べてもらいました。喜んでもらえたようです。

 

表彰式、閉会式の後には当日がクリスマスだったこともあり、S川さんから参加賞として全員に今の高2の干支である酉のイラスト入りのフェイスシールドのプレゼントがありました。それからDJ:M永プレゼンツのビンゴ大会を行われました。賞品は協賛や虎の会メンバーから差し入れをたくさんいただいたこともあり、それは豪華なものでした。
解散後も一緒に戦ったメンバーと共に写真撮影を行うなど、今後会場であったらお互いに声を掛け合うような関係を築くことができたものと思います。

振り返ると、いつもは緊張の面持ちを見ることが多い試合会場ですが、今回は普及につながるものを目指して行った甲斐もあり、たくさんの笑顔を見ることができました。

いつも感染対策のために我慢いただいている保護者の方々にも、制限付きではありますが入場していただきました。生徒たちの頑張っている姿をたくさん見ていただけたものと思います。

プログラムも記念になるものをと、凝って作成させてもらいました。表紙のデザインは佐北のマネージャーによるものです。

第1回ということで手探りで行うかたちとはなりましたが、今回お集まりいただいた先生方をはじめ、部員や保護者の皆さん、関係各位のおかげでそれぞれの思い出に残るものになったのではないかと思います。

生徒達にとって学校の枠を超え、剣道を勝ち負けだけでなく楽しむという、新たな魅力を感じる良い機会になったなら幸いです。

 

何よりちょうど私達同期生の今の姿のように、卒業後も同じ時代に剣の道を歩んでいた仲間としての絆ができた日になればと思っています。さしずめ彼らは酉の会となるのでしょうか?

次年度も同じ時期に開催することができたらと思います。軌道に乗ってきたらいつかは高校生だけでなく、中学生にも入ってもらえるようなものができたらと思います。

改めて今回の大会に関わっていただいたすべての方々に感謝の言葉をお伝えしたいと思います。本当にありがとうございました。